「何がわからないかもわからない状況でやっていけるのか」——その不安を抱えたまま飛び込んだ3年間。
「不安は解消しない。でも、なんとかなることを知った」——その言葉に、転職者へのリアルなヒントがある。
転職の動機と、入社前の最大の不安は?
もともとやりたかったことに挑戦してみようと思ったのがきっかけです。建物・建築全般、地図に残る仕事がしたいという気持ちがあって、「建築」で検索するところから始めました。調べていくうちに、職人が専門的な作業をする一方で全体を見るのが監督だと知り、1から携われる施工管理がいいなと思って。そこからサンプル建設を見つけました。
最大の不安は、何がわからないかもわからない状況で本当にやっていけるのか、ということでした。前職は指示をもらって作業する側でしたが、今度は指示をして管理する側になる——上手く指示できるのか、それが一番怖かったです。
建設業の「現場のリアル」で驚いたことは?
一つの建物を建てるだけで、こんなに多くの工程や業種の人が関わるとは思っていませんでした。造るものによる金額の差にも驚きました。感動というより「驚きと発見」の連続です。
前職は工場で「ルールを守る側」でしたが、今は「ルールを決める側」。社外の人やお客様への配慮など、自分たちで考えていくことが最初は大変でした。怒られることもありましたが、改善したいと思える怒られ方だったので頑張れました。
不安は解消しない。慣れていくものだと思う。
「なんとかなる」ことを知った——それが今の自分を支えている。
「これは無理だ」と感じた瞬間は?
「無理だ」と感じた業務は、あまりないんです。相談すれば一緒になって考えてくれる上司や先輩ばかりで。負けず嫌いなのもあって、不安でも「なんとかなる」と思える性格で(笑)。
2〜3年目のメガテックの現場では予定外のことが重なりましたが、最終的に周囲が助けてくれて完成・引渡しまでいけた。「お客様のために何とかしたい」という気持ちが強いので、引渡しの達成感は毎回大きいです。
仕事以外のつながりや、プライベートの変化は?
職場の空気は前職も今も良いです。たまに食事や遊びに行くこともあります。プライベートの時間は正直減りましたが、メリハリがついて質は良くなった気がします。
最近は子どもが小さいので家族メインの生活です。休みは明らかに減りましたが、仕方ないと思っている。「この休みをいかに充実させるか考えるようになった」——前職の時にはそんな発想はなかったです。今は2人体制の現場なので土曜も休めていますが、責任感が強くなって心配で現場に顔を出したり、休日の電話対応もあります。正直いやな時もありますが、やれることだと思っています。
転職して、充実感を感じるのはどんな時?
工事の工程で区切りがついた時、竣工した時です。毎日違う作業があって飽きない——前職は毎日同じ作業の繰り返しで「これをずっとしていくのか」と思うようになったのが転職のきっかけでもあります。
今は場所も建物の規模も毎回違って、都度考えないといけない。つらいけど(笑)。でも同じ条件がないからこそ、バタバタしながらも次の参考にできるし、実績として積み上がっていく感覚があります。社内検査の資料をまとめる頃には少し余裕も出てきて、達成感を感じます。
「商業高校→一般企業→サンプル建設(未経験)」というルート。強みはある?
面接時に「学歴は関係ない、やる気次第」と言われたのを覚えています。専門学校組との知識の差は、入社後にどれだけ知りたいと思うか次第。興味のある業界だったから、自然に学べました。
ただ、資格取得の実務経験年数では差を感じ、悔しい思いをすることもあります。転職を考えているなら、資格の関係上、早いほうがいいとも思います。
今でも「まだ足りない」と正直に感じていることは?
建築の知識と、現場での柔軟な対応力がまだ足りないと感じています。自分で考えて「本当にこれでいいのか」と迷う時は、今でも上司や職人さんに相談しています。
あと、仕事を抱え込む癖があって、後輩にうまく割り振ったり教えたりすることが今後の課題です。現場にもう少し緊張感を持たせて、自分の言動で引き締められるようになりたい。目指しているのは林専務のような存在です。
私は性格が優しいので、注意(安全帯の着用など)の仕方が優しくなってしまう(笑)。林専務からは「言い方は優しいが、職人さんはちゃんと指示に従ってくれている」と言われて。職人さんからも性格を褒めていただくことはあるんですが、自分ではもっと重みのある言い方を身につけたいと思っています。
同じキャリアを考えている人へ、一番伝えたいことは?
専門知識がなくても、意外となんとかなります。やりたい気持ちがあって挑戦できる環境があれば、経験のない異業種でも挑戦した方が後悔がない。絶対、早い方がいい。資格取得に経験年数が必要なものもあるので、転職するなら早いほうがいいです。
「意外となんとかなる」を支えているのは、環境と気合の両方です。周りの人に支えられているのが大きい——人に恵まれていると思っています。意外となんとかなるには、コミュニケーションが大切です。話をしないと進まない仕事なので、意識して自分から話しかけるようにしています。今、後悔していません。